くるみの効果と一日の適量|知るほどおいしい、胡桃の話

くるみの効果と一日の適量|知るほどおいしい、胡桃の話

コーヒーのお供に、焼きたてのパンに、ワインとチーズのひと皿に。くるみの香ばしさ、ほのかな渋み、心地よい歯ざわりは、料理やお菓子の味わいに深みを加えてくれます。

栄養面では脂質の多さがよく知られていますが、その中身を見ると、くるみならではの特徴があります。どのような栄養を含み、一日にどれくらい食べるとよいのでしょうか。

長く食べ継がれてきた歴史から、世界での位置づけ、近年の研究、少し意外な調理法まで。くるみについて知るほど、次のひと粒が楽しみになる話です。

数千年前から食べられてきた、世界有数のナッツ

日本では、縄文時代の遺跡からくるみが出土しており、数千年前から食料として利用されていました。長い時代を経ても食べ続けられてきたことは、くるみが人の暮らしに深く根づいた食材であることをよく表しています。

現在、世界で食用として広く流通しているのは、ペルシャグルミです。英語の walnut はくるみ全般を指しますが、日本でウォールナッツとして販売されているものの多くも、このペルシャグルミの系統です。

一方、日本にはオニグルミなどの在来種があり、殻の硬さや実の取り出しやすさ、風味にも違いがあります。

では、くるみは世界でどれほど食べられているのでしょうか。

国際ナッツ・ドライフルーツ評議会(INC)が公表した2024年の統計では、くるみはアーモンドに次いで第2位。世界のツリーナッツ消費量の21%を占めています。

世界のツリーナッツ消費量の構成比
順位 ナッツの種類 構成比
1位 アーモンド 28%
2位 くるみ 21%
3位 カシューナッツ 18%
4位 ピスタチオ 17%
5位 ヘーゼルナッツ 10%

※2024年の上位5品目。ツリーナッツ(樹木に実るナッツ)には、豆類であるピーナッツは含まれません。出典:INC「Global Statistical Review 2025」公表概要。

パンや焼き菓子の材料として身近な存在ですが、世界全体で見ても、くるみは主要なナッツの一つです。

落ち葉の下に隠れた胡桃の実 SUNOMA
落ち葉の下に隠れている胡桃(くるみ)


一日25gを目安に|くるみの栄養と脂肪酸

成人が間食として食べる場合は、一日25g前後がひとつの目安です。

殻を除いた実を手のひらに載せると、ひとつかみ弱。半割れのくるみなら12片前後です。手の大きさや実の形には差があるため、最初に一度だけキッチンスケールで量り、いつもの小皿に移しておくと、次から見当をつけやすくなります。

いりくるみの主な栄養成分
栄養成分 100g当たり 25g当たり
エネルギー 713kcal 約178kcal
たんぱく質 14.6g 約3.7g
脂質 68.8g 約17.2g
炭水化物 11.7g 約2.9g
食物繊維 7.5g 約1.9g
n-3系脂肪酸(オメガ3) 8.96g 約2.24g
マグネシウム 150mg 約38mg

※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の「くるみ/いり」を使用。25g当たりは、可食部100gの数値から換算して四捨五入しています。

25gのエネルギーは約178kcalです。農林水産省の食事バランスガイドでは、菓子や嗜好飲料は一日200kcal程度とされています。くるみだけを間食にするなら25g前後、ほかのおやつや甘い飲み物も口にする日は、その分だけ少なくするとよいでしょう。

脂質は、量だけでなく種類を見る

くるみは、可食部の約7割を脂質が占めます。数字だけを見ると多く感じますが、栄養面で重要なのは、脂質を構成する脂肪酸の種類です。

脂肪酸は、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸は肉の脂身やバター、生クリームなどに多く、不飽和脂肪酸は魚、植物油、ナッツなどに多く含まれます。

飽和脂肪酸を摂りすぎず、その一部を不飽和脂肪酸に置き換えると、血液中のLDLコレステロールの低下につながることが分かっています。

くるみに含まれる脂肪酸の約9割は不飽和脂肪酸です。中でも特徴的なのが、オメガ3脂肪酸の一種であるα(アルファ)-リノレン酸です。

α-リノレン酸は、体内でつくることができず、食品から摂る必要がある必須脂肪酸です。くるみに多く含まれるオメガ6脂肪酸のリノール酸も、同じく必須脂肪酸に分類されます。

脂質を一律に避けるのではなく、どのような脂肪酸を含む食品なのかを見る。くるみの栄養を知るうえで、大切な視点です。

くるみの健康効果|コレステロールとの関係

くるみの健康効果の中でも、多くの研究が行われているのが、コレステロールや中性脂肪との関係です。

LDLコレステロールには、肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。ただし、血液中で増えすぎると動脈硬化性疾患の発症リスクが高くなるため、一般に悪玉コレステロールとも呼ばれています。

2026年に公表された研究では、成人4,611人を対象とした49件の比較試験がまとめられました。その結果、くるみを食事に加えた人たちは、加えなかった人たちと比べ、LDLコレステロールが平均約5.7mg/dL、中性脂肪が平均約6.2mg/dL低下していました。

脂質の多いくるみが、血液中の脂質の改善につながるという結果は、意外に思えるかもしれません。ここでも関係するのが、脂質の量だけでなく、その種類です。

毎日の食事に単純に追加するのではなく、バターや生クリームを多く使った菓子などの一部をくるみに替えると、摂取する脂肪酸の構成も変わります。間食の量を増やさず、選ぶものを替える方法なら、日常生活にも無理なく取り入れられるでしょう。

刻む、つぶす|くるみを料理に使う

くるみは、そのまま食べるだけの木の実ではありません。刻んだり、つぶしたりすると、ソースやスイーツ、料理の具としても利用できます。

くるみをクリームにする

くるみを水と一緒になめらかにすりつぶすと、乳製品を使わないクリームのベースになります。

カリフォルニアくるみ協会では、くるみにバナナ、ココア、メープルシロップなどを加えて凍らせる、チョコレート味のアイスキャンディーを紹介しています。くるみを粒のまま加えるのではなく、濃厚さと滑らかさを生み出す材料として使うレシピです。

同じクリームをソースやスムージーに加えれば、乳製品とは異なる香ばしさを生かせます。

きのこと合わせて、ひき肉のように使う

細かく刻んだくるみときのこを炒めると、ひき肉のような粒感のある具になります。タコスやボロネーゼ、パスタソースなど、さまざまな料理に応用できます。

きのこが水分と旨味を加え、くるみが歯ざわりと濃厚さを補うため、植物性の材料だけでも食べごたえのある一品に仕上がります。焼き菓子やパンに使うことが多かった人にも、試しやすい調理法です。

脂質が多いからこそ、保存は冷蔵で

くるみに多く含まれる脂質は、空気や熱、光の影響を受けると酸化します。酸化が進むと、香ばしさが失われ、古くなった油のようなにおいや不快な苦味が生じます。

開封後は密閉容器に移して冷蔵庫へ。1か月以上保存する場合は、冷凍庫を利用すると風味を保ちやすくなります。魚や玉ねぎなど香りの強い食品から離し、刻んだりすりつぶしたりするのは使う直前にしましょう。

いつものくるみから、別の仲間へ

くるみについて知ったあとには、その仲間にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

SUNOMAの「シルクロード実っくす」に使われている高原くるみは、一般的なくるみと同じクルミ科に属しますが、ペルシャグルミとは別のカリア属の木の実です。素焼きにした高原くるみの軽い歯ざわりと香ばしい風味に、グリーンレーズンの穏やかな甘みと爽やかな酸味を合わせています。

いつものコーヒーや紅茶に添えて、一般的なくるみとの味や食感の違いを比べてみる。そのような味わい方も、木の実への興味を深めてくれます。

※本記事で紹介した栄養成分と健康研究は、一般的なくるみであるペルシャグルミを対象としています。高原くるみや「シルクロード実っくす」の健康効果を示すものではありません。
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