遥か遠くのトルファン
1991年の早春。ひとりの大学生が大阪南港から船で上海へ渡りました。目指すは、幼い頃から憧れていたシルクロードのトルファン。中国語は全く話せないけど何とかなるだろう。
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アルバイトで旅費を工面し、胸をおどらせ乗船した二日目の夜のことでした。
「新疆は危ないよ。核実験が行われているからね」
同じ大部屋で知り合った年配の中国人のひと言に、彼はすっかり怖気づいてしまいます。そんな危険なことをしてまで行くのか、デマかもしれない…
ようやくトルファンの土を踏み、エメラルドのように輝くレーズンを初めて味わうのは、そこから10年後のことでした。














