トレイルミックスとは?|登山やハイキングで親しまれる行動食の楽しみ方
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山歩きの途中、少し開けた場所を見つけてひと休み。
ザックから小さな袋を取り出し、ナッツとレーズンをひと口。水やコーヒーを飲んで、また歩き始める。
登山やハイキングを楽しむ人たちの間では、そんな携帯食として「トレイルミックス」が親しまれています。
名前だけを聞くと、本格的なアウトドアのための特別な食品のようですが、材料も食べ方もいたってシンプルです。
登山はもちろん、サイクリングやドライブ、鉄道での小旅行にも。お気に入りのナッツとドライフルーツを持って、少し遠くまで出かけてみませんか。
トレイルミックスとは?
トレイルミックスとは、ナッツやドライフルーツを中心に、シードやチョコレートなどを組み合わせた携帯しやすいスナックです。
英語の「trail」は、山や森につくられた小道や自然歩道のこと。Cambridge Dictionaryでも、トレイルミックスは『ドライフルーツとナッツを混ぜたスナック』と定義されています。
組み合わせに決まりはありません。
ナッツとレーズンだけでもよく、好きなナッツやドライフルーツを何種類か合わせてもよい。チョコレートを少し加えることもあります。
好きなものを、好きな割合で。
その自由さもトレイルミックスの魅力です。
なぜ登山やハイキングで親しまれているのか
トレイルミックスがアウトドアで重宝される理由は、持ち運びやすく、調理をせずに少量ずつ食べられることです。
登山では、昼食とは別に、歩いている途中や休憩時に食べる「行動食」を携帯することがあります。ナッツやドライフルーツは水分が少なく、小さな袋に入れて持ち歩きやすいため、こうした場面にも向いています。
そして、ナッツとドライフルーツは、含まれる栄養成分にも違いがあります。
その違いについては、少し後で詳しく見てみましょう。
100年以上前にもあった、ナッツとレーズンの携帯食
トレイルミックスを誰が最初に考えたのか、その起源ははっきりしていません。
ただ、現在のトレイルミックスを思わせる食べ方は、かなり昔からあったようです。
1833年のデンマークの文献には、「Studenterhavre」と呼ばれる食べものが登場します。後世の記録では、レーズンとアーモンドを組み合わせたものとして知られています。
また20世紀初頭、アメリカのアウトドア作家ホレス・ケファートは、野外生活の指南書『The Book of Camping and Woodcraft』を著しました。
その中で彼は、殻をむいたナッツとレーズン、甘いチョコレートを携帯すれば、道を歩くときにも、道に迷ったときにも役立つと記しています。現在のトレイルミックスと、ほとんど変わらない取り合わせです。
そして1958年。ジャック・ケルアックの小説『The Dharma Bums(邦題:禅ヒッピー)』にも、山へ向かう登場人物がピーナッツとレーズン、ドライアプリコット、プルーンを用意する場面があります。
アウトドア用品も食文化も大きく変わりましたが、木の実と乾燥果実を持って旅に出るという発想は、驚くほど変わっていません。
トレイルミックスの主役、ナッツとレーズン
トレイルミックスにはさまざまな素材が使われますが、昔から中心にあるのはナッツとドライフルーツです。
なかでもレーズンは、ナッツと合わせる定番の素材。前章で紹介した100年以上前の携帯食にも、ナッツとレーズンが登場していました。
なぜ、このふたつなのでしょう。
ナッツ――小さくてもエネルギーを摂りやすい
アーモンド、くるみ、カシューナッツなど、種類によって栄養成分は異なりますが、ナッツは一般に脂質を多く含む食品です。
脂質は1gあたり9kcalと、炭水化物やたんぱく質より多くのエネルギーを持つため、ナッツは少量でもエネルギーを摂りやすいという特徴があります。
さらに、たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなども含まれています。
栄養面に加え、ナッツならではの食感や香ばしさも魅力です。
カリッとした歯ざわりや香ばしさ、噛むほどに広がるコク。山道を歩いた後や旅の途中で口にすると、その食感も気分転換になります。
レーズン――ぶどうの栄養が凝縮したドライフルーツ
レーズンは、ぶどうを乾燥させてつくられるドライフルーツです。
水分が少なくなることで小さく軽くなり、糖質をはじめ、食物繊維などの他、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルも含んでいます。
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、干しぶどう100gあたりのエネルギーは324kcal、炭水化物は80.3g。少量でも糖質を摂りやすいため、登山やスポーツなど体を動かす場面で携帯されてきたことにも納得できます。
ナッツとレーズンは、それぞれ異なる栄養とおいしさを持つからこそ、ひとつの袋の中でうまく補い合う組み合わせなのです。
甘い、香ばしい、酸っぱい。組み合わせるからおいしい
そして、トレイルミックスのおもしろさは、味と食感の変化にもあります。
ナッツの香ばしさとコク、カリッとした歯ざわりと香ばしさ。そこへレーズンのフレッシュな食感と果実の甘みと酸味が加わります。
クランベリーなら更なる酸味を、チョコレートなら濃厚な甘みを加えることもできます。
ナッツだけ、ドライフルーツだけを食べるのとは違い、ひと口ごとに味や食感が変わる。
素材を混ぜるだけのシンプルな食べものですが、選ぶ素材によって楽しみ方はいくらでも広がります。
SUNOMA
山だけじゃない。トレイルミックスを旅のお供に
山以外にもトレイルミックスは重宝します。
サイクリングの休憩や、ドライブでひと息つくとき、鉄道旅で車窓を眺めながらコーヒーを飲む時間にも。公園や海辺への散歩なら、小さな袋をバッグに入れて気軽に持ち出せます。
お気に入りのナッツとドライフルーツを携えて出かける。
それだけで、いつもの移動がちょっとした旅になります。
自分だけのトレイルミックスを持って出かけよう!
トレイルミックスには、決まった組み合わせがありません。
アーモンドとレーズン。
くるみとドライいちじく。
カシューナッツとドライマンゴー。
香ばしいものが好きならナッツを多めに。果実の甘酸っぱさが好きならドライフルーツを多めに。
コーヒーや紅茶と一緒に食べるのか、旅先でワインを開けるのか。飲み物から素材を選んでみるのも面白いでしょう。
好きなナッツとドライフルーツを、ジッパー付きの小さな保存袋へ。食べる分だけ詰めたら、あとはバッグに入れて出かけるだけです。
そこから、自分だけのトレイルミックスが始まります。
ふたつの素材だけのトレイルミックス
トレイルミックスは、気に入ったナッツとドライフルーツがあれば、それだけでも十分です。
SUNOMAの「シルクロード実っくす」も、考えてみれば、とてもシンプルなトレイルミックスです。
使っているのは、杭州の天目山で育つ高原くるみと、シルクロードのオアシスとして知られるトルファンのグリーンレーズン。
高原くるみのカリカリ、サクサクとした歯ざわりと香ばしいコクに、グリーンレーズンのもっちりとした食感、やさしい甘みと爽やかな酸味を合わせています。
もともとは、高原くるみを試食していたとき、そばにあったグリーンレーズンを何気なく一緒に口にしたことから生まれた組み合わせでした。
袋の中ではふたつの素材を別々に仕切り、食べるときに好きな割合で合わせることができます。
山へ。海へ。列車に乗って、まだ知らない街へ。
次のお出かけには、このシルクロード実っくすをバッグやリュックに忍ばせて、旅に出てみてはいかがでしょう。